5「…………スコール？！」
5「……スコール？ 本当に？」
8「未だに、本物と偽者の区別がつかないのか、おまえは？」
5「そーじゃなくてさ！ おれ、スコールのこと思い出したから、幻見てんのかなーって！ っていうか、再会早々、可哀想な子を見る目はやめろ！！」
8「……(見た目は少し違うが、中身は全然変わっていないな)」
5「大体、おれが本物のスコールを間違えるワケないだろ！！」
8「そうだな」
5「う、うん、そーだ！ って、そんな簡単に納得されると、ちょっと困るんだけど……」
8「何故だ？」
5「な、なぜって、聞かれても……」
ボ「クエ？」
5「あ、紹介するぜ！ ボコだ、おれの大事な相棒！！」
ボ「クエっ！」
8「ああ、『幸運のお守り』をくれた相棒だな、よろしく」
5「え？ スコール、ボコの言ってる事が分かるのか？」
8「いや、分からない。ニュアンスで答えただけだ」
ボ「クエ、クエっ！！」
5「あ、ああ。え、え〜と、こっちはスコ−ルだ。おれの……」
8「……」
5「おれの、こ、ここい、こ……こい、び……(照)」
8「夫だ」
ボ「ク、クエエエエっっっ？！！！！！！」
5「はああああぁぁぁあ？？？」
8「何か、文句でも？」
5「当ったり前だろ！ プロポーズもしてないくせに、何が“夫”だ！！！」
8「(そこか？ 突っ込むところはそこなのか？)」
5「図々しいぞ！」
8「そうだな」
5「そうだ！」
8「じゃあ、手を出せ」
5「ふんっ！」
8「グーで両手を突き出してどうする？！ パーだ、パー！」
5「誰がパーだ！」
8「おまえだ。手を開け」
5「……？」
8「今はこれしか無いからな」
5「お、これライオンの指輪か？ スコールのペンダントヘッドやガンブレードに付いてるアクセとお揃いだな！」
8「少し、でかいか？」
5「うん、ちょっとゆるいな」
8「どこかでサイズ調整するまで、合いそうな指に嵌めてろ。大事な指輪だから、失くすなよ」
5「お、おう。あ、ありがとな」
8「それで？」
5「ん？」
8「俺はおまえの何だ？」
5「おれの、こ、こ、ここん、……こん……(照)……ここ、婚約者だ！」
8「まあ、……いいだろう」
ボ「クエ……」
5「ナ、ナンだよ、その目は！ おまえがいつの間にかココと子どもを作ってたって、おれは祝福してやったじゃねーかよ！！」
8「……(多分、問題はそういう事じゃないぞ？)」
5「おれ……ボコにそういう顔されるの、……つらい」
ボ「クエ……」
5「でも、スコールの事も好きだから、反対されたくない」
ボ「……」
5「……」
8「……」
ボ「クエっ！！」
5「うん！ ボコ、ありがとな！」
8「……(認められた、のか？)」
5「どうやってこの世界に来たんだ？」
8「原理はよく分からない」
5「目覚めたら、ここに居た、とか？」
8「多分、時空の歪みに嵌って、ここに飛ばされたという感じだろうか」
5「うーん、じゃあスコールの世界へ戻るとか、他のどこかの世界へ行くとか、そういう事は不可能なのか？」
8「どうだろうな」
5「いいのか、自分の世界へ帰れなくても？」
8「おまえが居るから、別に構わない」
5「……え、えと……(照)」
ボ「……クエ」←甘くて聞いていられないらしい。
5「……コレ、さ。大事な指輪って言ってたけど……」
8「母の形見だ」
5「えええええっ？ そんな大事なモン、おれが貰っていいのかっ？」
8「構わない。どうせ、かなり手を加えているしな」
5「それだって、スコールにとってすんげぇ大切なモノじゃん」
8「だから、おまえにやったんだろうが」
5「コレに匹敵するくらいすげえモノなんて、おれはスコールにあげらんないぞ？」
8「……(チラ)」
ボ「……っ！！！」←身の危険を感じた。
5「あー、有る。……けど、『婚約お守り』っておかしくないか？」
8「おまえらしいから、構わないだろ」
5「おれにとっちゃ大事なモノだけど、スコールのお母さんの形見と同列には……」
8「俺の母親の形見は、おまえにとって大切な物か？」
5「そりゃあ、スコールのお母さんの形見なら、おれにとっても大事だぞ！」
8「おまえにとって大事なら、俺にとっても大事とは考えないのか？」
5「……あ！ そ、それは……そうだけど……」
8「価値観が人それぞれだと言ったのは、おまえだぞ」
ボ「……」
5「ボコー、おまえから貰ったこの『お守り』、スコールにあげてもいいか？」
ボ「クエっ♪」
5「う、うん。じゃ、じゃあ、コレな」
8「返せとか言うなよ」
5「言わねーよ！ ソレは今からスコールのモンだ！ おれに二言は無ーい！」
8「……よし」
ボ「……クエ」
5「どうした、ボコ？」
ボ「クエっクエーーーーっ！！！」
5「ああ、そりゃ悪かった。それじゃ【海賊の砦】に行くか？」
ボ「クエっっ♪♪♪」
8「どうした？」
5「おればっかズルいから、ココに会わせろって」
8「奥さんか」
ボ「クエっ！」