〈スコバツ in FF9其の弐・1〉




『どどんがどん!』



5「そっか、分かった!」
8「……(分かったのか??)」
5「よし、やってみる!!」
8「……(ナンだそのポーズは)」
5「旅人メタモルフォーッゼ! 果て無き探求スピリーッツ!!!」
8「……その分かりやすいパクリ文句は、どうしても必要なのか?」
5「無言でジョブチェンジしてもつまんないかなーと思って演出してみた」
8「……普通にジョブチェンジしろ」
5「EXみたいにカッコウ良くしたかったんだよ〜」
8「それで、それは何のジョブだ?」
5「召喚士さ! この角がチャームポイントだ!」
8「…………(角?)」
5「痛い痛い! 引っ張るな!!」
8「本物の角なのか?!」
5「そりゃ、この角で召喚獣と交感するんだからな」
8「……(交感、だと)」
5「おいこら、ナニ変な事考えてるんだ、そこのむっつり!」
8「……むっつり……」
5「その辺りの追求は後回しな」
8「……(むっつり)」
5「とりあえず、やってみっから」
8「なんとかなりそうか?」
5「やってみないと分かんないなー」
8「…………」
5「どどんがどん!」
8「…………(まあ、二人でここに閉じ込められるのも、悪くないかも、な)」←信じていない。
5「おれの声を受けて、想いに応えてくれ」
8「……」
5「ここがおまえの戻るところ」
8「……」
5「よーし!」
8「……解けた、のか?」
5「うん。でも封印してた理由が何かあるハズだから、おれ達が出たらもう一度封印し直さないとな」
8「それも、……出来るのか?」
5「Lv.4の召喚獣だから、……ま、なんとかなると思う」
8「……?」
5「……ふぅ……」
8「少し、顔色が悪いな」
5「んあ? うん、ちょっと疲れたかな」
8「封印が済んだら、休めるところを探そう」
5「むっつりしたいのか?」
8「……///! バカを言うな!!」
5「冗談のつもりだったのに」
8「むしろドメスティック・ヴァイオレンスしたいから、早く封印しろ」
5「だから、Mじゃねーってば!! ……っと!」
8「おい、本当に大丈夫か? ふらついているじゃないか」
5「だいじょぶだいじょぶ、さっさと封印してむっつりしよっか!」
8「……バカか///」



ド1「うわあああああ、聖地からナンか出て来たド!!」
ド2「ぎゃあああ、お、おら怖いド!!!」
ド1「だ、ダイジョウブだド、おらが守るド!」

5「ナンだナンだ?」
8「……俺達を見て驚いているようだな」

ド2「しゃ、喋ったドか?!!!!!」
ド1「早く村に戻って、神主様に知らせるだド!!!」

8「(村? 近くに村があるのか?)」
5「……なあ、今あいつら、『神主様』って言ってたよな?」
8「言っていたな」
5「……」
8「ナニを企んでいるんだ?」
5「ちょ、企むって……! 『神主様』がいるなら、結婚の相談できるかなって思っただけだよ!」
8「ああ、そう言えばそうだな……」
5「あいつらを追いかけてみようぜ!」
8「ああ待て、体調はどうだ?」
5「外に出たら全然大丈夫だ。あの霧の瘴気に中ったのかも知れない」
8「……霧の瘴気か」
5「あ、あいつらを見逃しちまうから、早く行こうぜ!」


《コンデヤ・パタ》
ド1「大変だド! 神主様はどこにいるドか?」
ド3「おお、おめえら、聖地巡礼に行ってた夫婦でねえドか」
ド4「そんなに急いで、どうかしたドか?」
神主「何を騒いでいるドか? ようやく100回記念『神前の儀』を執り行うと決まったドに……」
ド1「せ、聖地から、変なのが出て来たド!!」
8「……(……変なの)」
5「……変なのって……」
ド2「ああああ、この二人だド!」
神主「みな、落ち着くド!」
5「お、あんたが神主様か?」
神主「いかにも、ワシが神主の、天守りのカツミだド。ラリホッ!」
5「ラリホ!」
8「……ラ、ラリホ?」←つられた。
神主「おまえたちが聖地から出て来たドか? 聖人ドか? それとも聖地荒らしドか?」
5「どっちでも無いぞ、おれたちは結婚できるところを探しているだけだ」
神主「……うむむ〜、またドワーフ族以外の『神前の儀』の話ドか」
8「……また?」
5「その『神前の儀』ってのは、結婚式のことか? おれたちはソレやってもらいたいんだけど、頼めないかな〜?」

???「聖地から人間が出て来たんだって?!!!」

5「ジタン!」
8「……(ジタンの世界だったのか)」

9「ナンだ、……クジャじゃないのか」
ダ「もしかして、クジャの……仲間?」
5「おいおい、クジャの仲間なワケないだろ、おれたちが! ジタン、ちゃんと否定してくれよ!」
9「ナ、ナンだよ、馴れ馴れしいな〜」
5「……ジタン?」
8「……ジタン。もしかして、覚えていないのか?」
9「ナンのことだよ? オレ、あんたたちなんか知らないぜ!」
ビ「……で、でも、あの人たち、ジタンを知ってるみたいだよ」
9「あ〜、オレのファンかな? 人気役者はつらいね〜」

5「……」
8「……」

神主「よし、決めたド! 100回記念『神前の儀』は、聖地から来たその二人にするド!!」
9「え、ちょっと待てよ! この二人って、こいつら男同士だろ?!!」
神主「ドワーフ族でない以上、もう何でもええド」
5「やった! 意外に早く目的達成できたな〜♪」
9「ちょっと待てってば! あんたたち本気か? つうか、オレとダガーの結婚式の邪魔すんなよ〜」
8「別に邪魔をする気は無い」
9「十分、邪魔してるってば! 大体、種族が違うだけならまだしも、男同士なんてどうかしてるぜ!」
5「……ジタン」
9「気持ちわりぃな〜、自重しろよ自重!」
5「……」
8「バッツ?」
5「……うん、そうだな。ごめんジタン」
9「あ、ああ。分かってくれりゃ、……いいんだけどさ」
8「……」
9「世の中には、可愛い女の子がいっぱい居るぞ! な? ま、オレはダガー一筋だけどな」
8「見損なったぞ、ジタン」
5「スコール!」
9「ナンだよ、さっきから! オレはあんたたちなんか知らないのに、妙に慣れ慣れしくされたり、勝手に見損なわれる筋合いねーーって!!」
5「……うん、ゴメン」
ビ「……」
9「さ、神主さんよ! あいつらの気が変わらねーうちに、オレとダガーの『ナンとかの儀』ってのを、さっさとやってくれよ!」

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