『どどんがどん!』
5「そっか、分かった!」
8「……(分かったのか??)」
5「よし、やってみる!!」
8「……(ナンだそのポーズは)」
5「旅人メタモルフォーッゼ! 果て無き探求スピリーッツ!!!」
8「……その分かりやすいパクリ文句は、どうしても必要なのか?」
5「無言でジョブチェンジしてもつまんないかなーと思って演出してみた」
8「……普通にジョブチェンジしろ」
5「EXみたいにカッコウ良くしたかったんだよ〜」
8「それで、それは何のジョブだ?」
5「召喚士さ! この角がチャームポイントだ!」
8「…………(角?)」
5「痛い痛い! 引っ張るな!!」
8「本物の角なのか?!」
5「そりゃ、この角で召喚獣と交感するんだからな」
8「……(交感、だと)」
5「おいこら、ナニ変な事考えてるんだ、そこのむっつり!」
8「……むっつり……」
5「その辺りの追求は後回しな」
8「……(むっつり)」
5「とりあえず、やってみっから」
8「なんとかなりそうか?」
5「やってみないと分かんないなー」
8「…………」
5「どどんがどん!」
8「…………(まあ、二人でここに閉じ込められるのも、悪くないかも、な)」←信じていない。
5「おれの声を受けて、想いに応えてくれ」
8「……」
5「ここがおまえの戻るところ」
8「……」
5「よーし!」
8「……解けた、のか?」
5「うん。でも封印してた理由が何かあるハズだから、おれ達が出たらもう一度封印し直さないとな」
8「それも、……出来るのか?」
5「Lv.4の召喚獣だから、……ま、なんとかなると思う」
8「……?」
5「……ふぅ……」
8「少し、顔色が悪いな」
5「んあ? うん、ちょっと疲れたかな」
8「封印が済んだら、休めるところを探そう」
5「むっつりしたいのか?」
8「……///! バカを言うな!!」
5「冗談のつもりだったのに」
8「むしろドメスティック・ヴァイオレンスしたいから、早く封印しろ」
5「だから、Mじゃねーってば!! ……っと!」
8「おい、本当に大丈夫か? ふらついているじゃないか」
5「だいじょぶだいじょぶ、さっさと封印してむっつりしよっか!」
8「……バカか///」
ド1「うわあああああ、聖地からナンか出て来たド!!」
ド2「ぎゃあああ、お、おら怖いド!!!」
ド1「だ、ダイジョウブだド、おらが守るド!」
5「ナンだナンだ?」
8「……俺達を見て驚いているようだな」
ド2「しゃ、喋ったドか?!!!!!」
ド1「早く村に戻って、神主様に知らせるだド!!!」
8「(村? 近くに村があるのか?)」
5「……なあ、今あいつら、『神主様』って言ってたよな?」
8「言っていたな」
5「……」
8「ナニを企んでいるんだ?」
5「ちょ、企むって……! 『神主様』がいるなら、結婚の相談できるかなって思っただけだよ!」
8「ああ、そう言えばそうだな……」
5「あいつらを追いかけてみようぜ!」
8「ああ待て、体調はどうだ?」
5「外に出たら全然大丈夫だ。あの霧の瘴気に中ったのかも知れない」
8「……霧の瘴気か」
5「あ、あいつらを見逃しちまうから、早く行こうぜ!」
《コンデヤ・パタ》
ド1「大変だド! 神主様はどこにいるドか?」
ド3「おお、おめえら、聖地巡礼に行ってた夫婦でねえドか」
ド4「そんなに急いで、どうかしたドか?」
神主「何を騒いでいるドか? ようやく100回記念『神前の儀』を執り行うと決まったドに……」
ド1「せ、聖地から、変なのが出て来たド!!」
8「……(……変なの)」
5「……変なのって……」
ド2「ああああ、この二人だド!」
神主「みな、落ち着くド!」
5「お、あんたが神主様か?」
神主「いかにも、ワシが神主の、天守りのカツミだド。ラリホッ!」
5「ラリホ!」
8「……ラ、ラリホ?」←つられた。
神主「おまえたちが聖地から出て来たドか? 聖人ドか? それとも聖地荒らしドか?」
5「どっちでも無いぞ、おれたちは結婚できるところを探しているだけだ」
神主「……うむむ〜、またドワーフ族以外の『神前の儀』の話ドか」
8「……また?」
5「その『神前の儀』ってのは、結婚式のことか? おれたちはソレやってもらいたいんだけど、頼めないかな〜?」
???「聖地から人間が出て来たんだって?!!!」
5「ジタン!」
8「……(ジタンの世界だったのか)」
9「ナンだ、……クジャじゃないのか」
ダ「もしかして、クジャの……仲間?」
5「おいおい、クジャの仲間なワケないだろ、おれたちが! ジタン、ちゃんと否定してくれよ!」
9「ナ、ナンだよ、馴れ馴れしいな〜」
5「……ジタン?」
8「……ジタン。もしかして、覚えていないのか?」
9「ナンのことだよ? オレ、あんたたちなんか知らないぜ!」
ビ「……で、でも、あの人たち、ジタンを知ってるみたいだよ」
9「あ〜、オレのファンかな? 人気役者はつらいね〜」
5「……」
8「……」
神主「よし、決めたド! 100回記念『神前の儀』は、聖地から来たその二人にするド!!」
9「え、ちょっと待てよ! この二人って、こいつら男同士だろ?!!」
神主「ドワーフ族でない以上、もう何でもええド」
5「やった! 意外に早く目的達成できたな〜♪」
9「ちょっと待てってば! あんたたち本気か? つうか、オレとダガーの結婚式の邪魔すんなよ〜」
8「別に邪魔をする気は無い」
9「十分、邪魔してるってば! 大体、種族が違うだけならまだしも、男同士なんてどうかしてるぜ!」
5「……ジタン」
9「気持ちわりぃな〜、自重しろよ自重!」
5「……」
8「バッツ?」
5「……うん、そうだな。ごめんジタン」
9「あ、ああ。分かってくれりゃ、……いいんだけどさ」
8「……」
9「世の中には、可愛い女の子がいっぱい居るぞ! な? ま、オレはダガー一筋だけどな」
8「見損なったぞ、ジタン」
5「スコール!」
9「ナンだよ、さっきから! オレはあんたたちなんか知らないのに、妙に慣れ慣れしくされたり、勝手に見損なわれる筋合いねーーって!!」
5「……うん、ゴメン」
ビ「……」
9「さ、神主さんよ! あいつらの気が変わらねーうちに、オレとダガーの『ナンとかの儀』ってのを、さっさとやってくれよ!」