〈輝きの世界を!其の弐・1〉

9「さすがに、バッツとは違って、体育座りはしていないのか」
8「……何か用か?」
9「んー、おせっかいしに来たってトコか」
8「ジタン、悪いが冗談に付き合う気分じゃない」
9「そりゃ、気分も悪いよな」
8「分かっているなら、一人にしてくれ」
9「今回は、放っておけねぇよ」
8「……(おせっかいめ)」
9「もうさすがに自覚あるんだろ?」
8「……(自覚?)」
9「マジかよ?! あんなに分かりやすいのに」
8「はっきり言え」
9「バッツだよ、バッツ・クラウザー」
8「……っ」
9「名前を言っただけでそんなに動揺するくせに、未だに自覚が無いとか言い張るかなー」
8「ジタン、……バッツがどうしたのか知らないが、俺が何を認める必要があるのか分からない」
9「ああ、もう面倒くさいな! いいか、ヒントをやるからよく聞けよ!」
8「……」
9「もし同じことをオレやティーダがやったって、きっと「ふざけるな」って怒るだけで終わっただろ」
8「……別に。バッツに対しても……同じだ」
9「じゃあバッツに怒ってるのか? 違うだろ? 今どんな表情してるのか、自分で分かってるのか?」
8「…………(見るな)」
9「オレに顔を背けたって、自分には背けないんだぜ?」
8「…………(うるさい)」
9「そんなに頑なに認めたくない理由は何だ? 拒否されるのが恐いのか? 嫌われるのが恐いのか?」
8「…………(うるさい、黙れ!)」
9「! スコール後ろ!!!!」
8「……っ!!! くっ!!!」
9「ったく! ナンでこんな時にイミテーションが湧き出るかなー!!!」
8「邪魔だ!!!」
9「スコール! 右に新手だ!!!」
8「次から次へとしつこい奴らだ! 沈め!!」
9「うわっと!!!」
8「ジタンっ!!!!」
9「コレくらい屁でもねーよ! 燃え上がれ!!!」
8「油断するなよ」
9「本気出しちゃうぜ!」
8「最初から本気を出せ!!!」
9「オレはバッツとは違うからな! やる時だけ全力なのさ!!!」
8「……っ!」
9「スコールっ! 戦闘中くらいバッツの名前で動揺するな!!!」
8「うるさいっ!!!」
9「これで最後! 飛んでけーーーっっ!!!!」
8「弾けろ!!!」

9「ふぅ、……片付いた、か?」
8「……ああ、だが油断は禁物だ」
9「クリスタルも手に入れたし、秩序の聖域にも近付いてる筈なのに、だんだん出てくる敵の数や質がやっかいになってきてないか? ……オレの気のせいじゃないよな?」
8「そうだな。最後のあがき、……だと、いいんだが」
9「……あ」
8「どうした?」
9「やば! 体育座りのバッツを一人で置いて来ちゃった」
8「何だとっ!!! クラウドやティーダは一緒じゃないのか?!!」
9「あー、まだ帰ってきて……なかったなー」
8「ジタン!!!」
9「だって仕方ないだろ。スコールが心配だったし、かと言ってバッツと一緒じゃこんな話できないし」
8「俺の身など案じなくても……、……」
9「……スコール?」
8「いや、心配かけてすまなかった。……バッツが心配だ、戻ろう」
9「なぁ、スコールが自分にケリをつけないままで、バッツに会えるのか?」
8「今はそんな事どうでもいい。バッツに何かあったらどうするんだ?!」
9「“そんな事”なのか?!」
8「……バッツの無事に比べれば、その程度の事だ」
9「そりゃ、さっきの慌てようを見りゃ、その言葉も嘘じゃないだろうけどさ」
8「……時間が惜しい。急いで戻ろう」
9「スコール!」
8「ジタン……、俺は逃げているのかも知れない。だが、一人で居るバッツが心配なのも事実だ」
9「……分かった。でも言っとくけど、あんなイミテーションごときに簡単にやられるほどバッツは弱くないぜ?」
8「敵がやっかいになってきたと言ったのはおまえだろう!」
9「そりゃそうだけど……」
8「何かあってからでは遅いんだ!」
9「……バッツをそんなに心配するのは、仲間だからか?」
8「そうだ」
9「それだけ?」
8「……(……俺は……)」
9「素直じゃないなー」
8「……(どんな形にせよ、……失いたくない……)」
9「……」
8「…………」
9「ホント、不器用なヤツ」



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